新型コロナウィルス感染症が猛威を振るっている現在、日本の経済活動にも大きな打撃を与えています。
経済活動の縮小によって、企業経営が苦しくなり、雇用状況が悪化し、解雇や雇い止め等の影響も大きくなってきました。
そこで、今回は、就労ビザで日本に滞在している外国人が解雇された場合について考えていきたいと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
現在の在留資格or特定活動ビザで滞在可能
就労目的の在留資格で日本に滞在している外国人は、新型コロナウィルスの影響によって就労先から解雇等が行われた場合、「現在の在留資格」もしくは「特定活動」の在留資格で引き続き日本に滞在することが可能です。
現在の在留資格で滞在できる場合
現在の持っている在留資格で日本に滞在できる場合は、以下の外国人の方になります。
1、雇用先から解雇又は雇止めの通知を受けた方で就職活動を希望する方
2、雇用先から待機を命じられた方で復職を希望する方
3、雇用先から勤務日数・勤務時間の短縮を命じられた方で、引き続き稼働を希望する方
4、その他上記1、ないし3に準ずる方
上記事由に該当する場合は、雇用されている企業から上記の状況にあることを証明する文書を提出することで、現在持っている在留資格のまま日本に滞在することができるようになります。
就労ビザ(例えば、技術・人文知識・国際業務)で日本に滞在している場合は、就職先である企業も審査されて、条件に該当することが認められ、在留資格を与えられることになります。
そのため、通常時では解雇された段階でこの前提が失われることになるため、正当な理由なく3ヶ月以上与えられた在留資格の活動を行わないと在留資格の取り消し対象になってしまいます。
しかし、新型コロナウィルス感染症の影響に鑑み、今回は上記理由に該当する外国人の場合は、継続して同じ在留資格で日本に滞在することが認められています。
また、資格外活動の許可も併せて申請することも可能です。
資格外活動については、以下の記事を参考にしてください。↓
在留資格「特定活動」で滞在できる場合
上述した「現在の在留資格」で滞在できる外国人が、上記の事由に該当したまま、在留期間の満了日を迎えてしまう場合は、就職活動を目的とする「特定活動」への在留資格に変更することが認められます。
このケースにおいても、雇用先企業の都合により上記の状況にあることを証明する文書が必要になり、資格外活動の許可も取得可能です。
在留資格「特定活動」については、以下の記事を参考にしてください。↓
注意すべき点は?
今回の特例を利用する場合の注意点は以下のとおりです。
1、就職活動又は待機期間による「特定活動」で在留する外国人が、復職等することとなった場合は、速やかに在留資格の変更許可申請を行う必要があります。
2、待機期間中又は勤務短縮期間中の外国人が、資格外活動許可申請を行う 場合は、受入れ機関から資格外活動を行うことについての同意が必要になります。
3、上記の取り扱いについては技能実習生は除かれます。
就職活動中の留学生はどうなるの?
今回の新型コロナウィルス感染症の影響は、外国人留学生にも大きな影響を与えています。
そこで、新型コロナウイルス感染症の影響による継続就職活動中又は内定待機中の方の在留期間の更新については、以下のようになっています。
1、就職活動を行う期間としての「特定活動」を許可されてい る外国人については、通常は卒業後1年を超えない範囲での活動が認められています。
今回の新型コロナウイルス感染症の影響により、引き続き日本で就職活動を行う場合は、当該期間を超えて在留期間の更新を受けることが可能になっています。
また、資格外活動の許可を受けることも可能です。
2、内定者が就職するまでの期間としての「特定活動」を許可されている外国人は、通常、就職までの期間が、内定後1年以内であってかつ卒業後1年6ヶ月を超えない範囲での活動が認められています。
今回の新型コロナウイルス感染症の影響により採用予定時期が変更となるなどして、引き続き日本に在留する場合は、当該期間を超えて在留期間の更新を受けることが可能です。
また、資格外活動の許可を受けることも可能です。
上記のようなケースに該当する場合、在留期間更新許可申請書の他に、本人作成の理由書で更新の審査がされることになります。
まとめ
今回は、新型コロナウィルス感染症の影響で解雇等の処分を受けた外国人ができる手続きについて考えてきました。
今後も、新型コロナウィルス感染症の影響がどのような広がってくるか予測が難しいですので、最新の情報は常にチェックしておく必要があります。
今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。
外国人の在留資格については、以下の記事で解説をしています↓
・外国人の在留資格制度とは?わかりやすく徹底解説します。