外国人技能実習生の失踪防止策について解説!

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日本には多くの外国人技能実習生が毎年やってきています。

そのような状況の中で、外国人技能実習生の失踪が問題になることもしばしばあります。

そこで、法務省が技能実習生の失踪防止を防ぐため新たな取り組みを発表しました。

今回は技能実習生の失踪防止策について考えていきたいと思います。

皆様の参考になれば幸いです。

技能実習制度については、以下の記事でも解説をしています↓
技能実習生って何?外国人の技能実習制度について徹底解説!

法務省が発表した技能実習生の失踪防止の取り組みについて

法務省が発表した技能実習生の失踪防止の取り組みについて

今回、法務省から発表された技能実習生の失踪防止に向けた取り組みについては以下のように発表されています。

不適切な監理団体・実習実施者等を制度に関与させないための施策

具体的には以下のとおりです。

1、失踪者を出した送出機関・監理団体・実習者に対して、帰責性等を踏まえて技能実習生の新規受け入れを停止すること。

2、相手国におけるブローカー対策を促すなど、二国間の取り決めに基づく対応の強化

実習中の技能実習生を失踪させないための施策

具体的には以下のとおりです。

1、失踪技能実習生を雇用した企業名の公表等の検討

2、特定技能の調査に併せて、技能実習生からも処遇状況(賃金等支払い状況や人権侵害の有無など)についてのヒアリング

失踪した技能実習生の不法就労を防止する施策

具体的には以下のとおりです。

1、失踪をさせた企業から失踪先等に係る情報収集の強化

2、在留カード番号等を活用した不法就労等の摘発強化

外国人の在留カードについては、以下の記事で解説をしています↓
外国人の在留カードについてわかりやすく解説します!

3、失踪技能実習生の在留資格の取消しの強化

在留資格の取消しについては以下の記事で解説をしています。↓
在留資格の取り消し制度について解説していきます!

4、失踪技能実習生に係る情報の関係省庁との共有

その他の施策

具体的には以下のとおりです。

1、失踪・死亡事案発生時に速やかに実地検査などを実施する

2、制度の厳格化について入管庁から監理団体に対して直接周知する

などの取り組みが発表されています。

外国人技能実習生の失踪数は多いの?

外国人技能実習生の失踪数は多いの?

今回法務省が発表した失踪防止の取り組みの背景には、外国人技能実習生の失踪数が年々増加しているということが考えられます。

以下に法務省から発表されている技能実習生の失踪数を掲載しておきます。↓

技能実習生の失踪数

<参照:法務省 技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームより>

上記数字から見て取れるように年々、技能実習生の失踪者数は増加傾向にあります。

また、外国人技能実習生の数も年々増加傾向にあることを見て取ることができます。

割合は毎年同じような推移で移行してきていますが、外国人技能実習生が増えることによって、失踪者数も増加していっています。

監理団体や送出機関の不正行為も問題に

監理団体や送出機関の不正行為も問題に

技能実習生の失踪も大きな問題となっていますが、技能実習生に対して不正行為を行なっている監理団体や送出機関も問題視されています。

そのため、今回の発表では、監理団体や送出機関に対する対応も厳しくされています。

不正行為の具体例は以下のようなものがあります。

賃金等の不払い

賃金等の不払いとは、技能実習生に対する手当又は報酬の一部又は全部を支払わないようなことを言います。

労働関係法令違反

労働関係法令違反とは、技能実習の実施に関して、「労働基準法」「労働安全衛生法」「 職業安定法」等の労働関係法令について違反があり、技能実習の適正な実施を妨げるようなことを言います。

名義貸し

名義貸しとは、地方出入国在留管理局への申請内容と異なる他の機関に技能実習を実施させていた場合や、当該他の機関において技能実習を実施していた場合を言います。

このようなケースでは、名義を貸した機関及び名義を借りた機関の双方がこの不正行為の対象になります。

暴行・脅迫・監禁

暴行・脅迫・監禁とは、技能実習生に対して暴行、脅迫又は監禁を行っていた場合のことを言います。

人権を著しく侵害する行為

人権を著しく侵害する行為とは、技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行った場合を言います。

上記のような不正行為が管理団体や送出機関によって行われているケースが存在します。

もちろん、上記の不正行為以外でも、外国人技能実習生にとって不利益となる行為が行われているケースもありますので、コンプライアンスの徹底をしていくことが管理団体や送出機関等にも求められています。

不法就労の外国人を雇用しないための記事は以下で記載しています。↓
罪に問われる?!不法就の労外国人を雇わないために

技能実習生の失踪を防ぐためにはどうしたらいい?

技能実習生の失踪を防ぐためにはどうしたらいい?

上述した通り、外国人技能実習生が失踪する理由には、管理団体や送出機関の不正行為によって起こされるものもあります。

もちろん、適正に運営をしていたにも関わらず、失踪してしまったというケースも中には存在していますが、上記の不正行為から外国人技能実習生の失踪を防ぐポイントが見えてきます。

1、賃金等を適切に支給し、契約書に記載されている金額を支払うこと

2、法令等を遵守し、長時間労働等の違法な残業等をさせないこと

3、暴力を振るうなど、威圧的な態度で接しないこと

4、不当な罰金などを課す等、人権を侵害するような行為をしないこと

5、技能実習計画通りに運営を行うこと

などの法令等をしっかりと遵守していくことが大切になります。

まとめ

外国人技能実習生の失踪についてのまとめ

今回は、外国人技能実習生の失踪について考えてきました。

近年の日本では、多くの外国人が留学や就労目的で生活をしています。

在留資格には様々な種類が存在し、その資格にあった活動をすることが必要です。

また、技能実習生だからと言って、不当に日本人と異なる扱いをしたり、差別的な扱いをすることはしてはいけないことです。

企業として、外国人を雇用する時には、しっかりとした知識と法令を遵守する意識が求められます。

今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。

外国人の在留資格については、以下の記事で解説をしています。

外国人の在留資格制度とは?わかりやすく徹底解説します!

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