2019年4月に創設された在留資格「特定技能」は、特定産業分野で就労する外国人に与えられる在留資格です。
この特定産業分野の一つに自動車整備分野が対象に含まれています。
自動車整備分野で在留資格「特定技能」を取得するためには、原則、自動車整備分野特定技能評価試験に合格する必要があります。
そこで、今回は、「自動車整備分野特定技能評価試験」について考えていきたいと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
自動車整備分野の在留資格「特定技能」については、以下の記事でも解説をしています。↓
・自動車整備業分野の「特定技能」ビザについて徹底解説!
自動車整備分野特定技能評価試験の実施主体は?
「自動車整備分野特定技能評価試験」の実施主体は、「一般社団法人日本自動車整備振興会連合会」が主体となって実施されます。
ちなみに、「自動車整備分野特定技能評価試験」は、英語で表記すると「Automobile repair and maintenance field specified skills evaluation test」と記載されます。
実施回数や実施時期、実施場所は?
「自動車整備分野特定技能評価試験」の実施回数や実施時期、実施場所については、
・概ね年2回程度とし、国外で実施
・ 実施時期及び実施場所は、国土交通省と一般社団法人日本自動車整備振興会連合会が協議の上決定する。
ということになっています。
受験者資格は?
「自動車整備分野特定技能評価試験」の受験資格者は、試験実施日において、満17歳以 上であることが求められます。
試験の水準は?
試験水準は、
タイヤの空気圧、灯火装置の点灯・点滅、ハンドルの操作具合及びホイールナッ トの緩み等の点検整備に加え、エンジン、ブレーキ等の重要部品を取り外して行う点検整備・改造を適切に行うなど、道路運送車両法に基づく「日常点検整備」、「定期点検整備」及び「分解整備」の実施に必要な能力を図るため、試験の合格に必要な技能及びこれに関する知識の程度は、「自動車整備士技能検定試験3級」と同水準程度とする。
とされています。
試験の範囲等について
「自動車整備分野特定技能評価試験」は、学科試験と実技試験によって行われます。
また、「自動車整備分野特定技能評価試験」の試験範囲は、
「自動車のシャシ、エンジン」に関する範囲とされており、学科試験と実技試験の科目は以下のとおりになっています。
学科試験の科目
学科試験の科目は、
1、構造、機能及び取扱法に関する初等知識
2、点検、修理及び調整に関する初等知識
3、 整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法に関する初等知識
4、材料及び燃料油脂の性質及び用法に関する初等知識
上記4つが学科試験の科目となっています。
実技試験の科目
実技試験の科目は、
1、簡単な基本工作
2、 分解、組立て、簡単な点検及び調整
3、 簡単な修理
4、 簡単な整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い
上記4つが実技試験の科目となっています。
特定技能評価試験の問題数や試験時間は?
「自動車整備分野特定技能評価試験」の形式はCBT方式で実施され、学科試験と実技試験の問題数や試験時間は以下のとおりです。
学科試験
出題形式は、真偽法(○×式)で行われ、 問題数は30問で実施されます。
また、試験時間は60分とされています。
実技試験
出題形式は、いくつかの課題について作業試験または図やイラスト等を用いた状況設定において正しい判別、判断を行わせる判断等試験により実施されます。
また、 問題数は3課題とし、複数の設問を設け、試験時間は20分とされています。
試験の合否の基準は?
特定技能評価試験の合否の基準は、
学科試験は正解数が出題数の65%以上、実技試験は得点合計が60%以上で、合格となります。
合格証明書はいつもらえる?
「自動車整備分野特定技能評価試験」に合格すると、合格証明書が発行されます。
この合格証明書は、
合格者と受入れ機関で雇用契約が結ばれることが決定したしてから、受入れ機関を通じて受験者に試験合格証明書が交付されることになります。
つまり、合格証明書の交付申請は、受入れ機関が行うことが必要になります。
その際には、
・特定技能評価試験合格証明書交付連絡票
・合格者が受入れ機関と雇用契約を締結したことがわかる書類のコピー
上記2点を併せて特定技能評価試験合格証明書交付申請書に必要事項を記入して、交付申請を行うことになります。
試験の予約から合格証明書交付までに流れは?
試験の予約から合格証明書交付までの流れは、「一般社団法人日本自動車整備振興会連合会」から発表されている資料がわかりやすいので、以下に参照しておきます。↓
<参照:一般社団法人日本自動車整備振興会連合会のホームページより>
まとめ
今回は、「自動車整備分野特定技能評価試験」について考えてきました。
「自動車整備分野」だけではなく、他の分野でもこれからも、在留資格「特定技能」で日本に働く外国人が多くなると考えらえています。
外国人を雇用するためには、在留資格が必要になりますので、しっかりとした知識を持っておくことが雇用する側にも求められますので、日々情報を取得するように心がけておくことが大切です。
今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。
以下の記事で「特定技能」ビザ全般について解説をしています。↓