「特定技能」の在留資格で外国人の受け入れを希望する建設関連会社は、建設技能人材機構(JAC)に加入している団体の会員もしくは、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)の賛助会員になることが必要になります。
そこで、今回は建設分野の「特定技能」ビザに関連する知識として知っておきたい、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)について考えていきたいと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
建設業分野における「特定技能」ビザについては以下で詳しく解説をしています。↓
・建設業分野の「特定技能」ビザについて徹底解説!
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)とは?
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)とは、
「総合建設業を営む企業を構成員とする建設業者団体、専門工事業を営む企業を構成員とする建設業者団体等が協力して、建設分野における特定技能外国人、その他の外国人材の適正かつ円滑な受入れ等に関する事業を行うとともに、建設技能者の技能評価その他の建設技能者の確保等に関する事業を行うことにより、建設分野における人材の確保を図り、もって我が国の建設業の健全な発展に資すること」
を目的として2019年4月1日に設立された社団法人です。
英語表記では、「Japan Association for Construction Human Resources」と称されるため、略称として「JAC」が使われています。
また、法人所在地は、
〒105-0001
東京都港区虎ノ門4丁目2番12号 虎ノ門4丁目MTビル2号館 6階
となっています。
建設技能人材機構(JAC)の事業内容は?
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)の事業内容は、当該社団の定款では以下のように規定されています。
1、 建設分野における外国人材の適正かつ円滑な受入れの実現に向けた行動規範の策定及び当該規範の適正な運用
2、 建設分野における外国人材が有する能力を有効に発揮できる環境の整備に関する事業
3、 建設分野特定技能外国人の受入れに関する事業
4、 建設分野特定技能外国人に対する職業紹介事業
5、 建設技能者の技能評価その他の建設技能者の確保等に関する事業
6、 建設技能者の確保等に関する調査研究
7、 その他本機構の目的を達成するために必要な事業
<参照 一般社団法人建設技能人材機構(JAC)の定款から>
建設技能人材機構(JAC)主な取り組み内容について
建設技能人材機構(JAC)は、建設業の健全な発展を推進することを柱として、以下に取り組むとされています。(平成31年度の事業計画より)
1、行動規範の策定、適正な運用に係る事業
・建設分野における特定技能外国人の適正かつ円滑な受入れの実現に向けた行 動規範の策定、当該規範の適正な運用を行う。
2、諸外国における教育訓練事業
・「日本語教育や技能・安全衛生教育」、「日本文化・ビジネスマナー教育」等の教育訓練を行う海外現地機関等との連携を図り、必要に応じて講師の派遣や資機材の調達等を行う。
3、技能評価試験の実施事業
・建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針で定めるすべての試験区分についての「建設分野特定技能評価試験」を国外で実施する。
このため、当該技能評価試験の実施に係る建設業者団体間の調整を行うほか、「試験場所の確保」、「受験者の募集」、「技能評価試験の実施に係る試験官の派遣や資機材の調達」等を行う。
4、特定技能外国人に対する職業紹介事業
・無料職業紹介事業の許可を得て、特定技能外国人の受入れを希望する建設企業からの求人情報等を集約し、技能評価試験の試験合格者及び試験免除者等に対して就職先の斡旋を行うほか、特定技能外国人に対する転職支援等を行う。
5、建設技能者の確保等に関する調査研究事業
・教育訓練を行う海外現地機関の適正性、日本にて就労する人材募集に関する各国毎の活動制約、特定技能外国人に係る二国間協定締結国以外からの人員募集可能性等に関する調査研究等を行う。
6、特定技能外国人に対する相談対応、受入企業に対する巡回指導事業
・平成32年度から、特定技能外国人からの母国語相談対応のほか、特定技能外国人受入企業による行動規範の遵守状況及び受入計画の実施状況の確認のための巡回指導等を「一般財団法人国際建設技能振興機構」への委託により行うために必要な検討及び準備を行う。
7、広報・啓発の推進事業
・一般社団法人建設技能人材機構(JAC)のホームページ等で業務内容や取組等を周知し、事業の進展に応じてホームページを充実していくとともに、パンフレットを作成し関係者への周知を行う。
8、その他の事業
・その他、特定技能外国人その他の外国人材の適正かつ円滑な受入れ等に関する事業や建設技能者の技能評価その他の建設技能者の確保等に関する事業を行う。
9、業務運営体制の整備
・今後の業務運営の基盤となる必要な人材、機材等の確保を行う。
などの取り組みを行うとされています。
会費等の金額について
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)は、正会員と賛助会員により構成されています。
そのため建設分野で「特定技能外国人」を受け入れるに当たり、受入企業は、機構の正会員である建設業者団体の会員となるか、機構の賛助会員となることが必要となります。
ただし、いずれになるかは選択可能です。
正会員の会費
正会員の会費については、年額36万円です。
ただし、
・傘下の特定技能外国人受入企業による(一社)建設技能人材機構への受入管理費の支払いについて収納代行業務を行い、かつ試験問題作成等の事業協力を行う者
・傘下に特定技能外国人受入企業を有さない者
は、会費が免除されます。
賛助会員の会費
賛助会員の会費については、年額24万円です。
また、企業及び建設関連団体及び登録支援機関などが賛助会員になりますが、「登録支援機関」の場合は、
1、建設分野特定技能外国人受入支援に関する契約を結ぶ相手方企業が20社未満の場合、12万円
2、建設分野特定技能外国人受入支援に関する契約を結ぶ相手方企業が10社未満場合、6万円
3、建設分野特定技能外国人受入支援に関する契約を結ぶ相手方企業が5社未満の場合、3万円
の年額となります。
「登録支援機関」については、以下の記事でも解説をしています。↓
・「特定技能」で重要になる登録支援機関について解説!
正会員及び賛助会員のイメージ図は以下のとおりです。↓
<参照 国土交通省土地・建設産業局 建設分野における特定技能外国人の受入れから>
まとめ
今回は、建設分野の「特定技能」ビザで外国人を受け入れる場合に知っておきたい、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)について考えてきました。
「特定技能」の在留資格で外国人を受け入れる場合は、諸々の条件をクリアしていく必要がありますので、情報は常にチェックしておくことが大切です。
今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。
「特定技能」ビザについてまとめた記事は以下で見ることができます。↓
・特定技能の在留資格について解説した記事一覧(まとめ)
一般社団法人建設技能人材機構(JAC)のホームページも以下に掲載しておきます。↓
・一般社団法人建設技能人材機構(JAC)のホームページ