「特定技能」の在留資格を新規で取得しようとする場合、一定の日本語能力が求められます。
その日本語能力を立証する試験として、「国際交流基金日本語基礎テスト」を受験することで、一定の日本語能力を有していることを立証することができます。
そこで、今回は「国際交流基金日本語基礎テスト」について考えていきたいと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
「特定技能」ビザ全般については以下の記事で解説をしています。↓
・外国人の「特定技能」の在留資格について徹底解説します!
国際交流基金とは?
そもそも国際交流基金とは、
国際交流基金は、1972年に外務省所管の特殊法人として設立され、2003年10月1日に独立行政法人となっています。
そして、日本の友人をふやし、世界との絆をはぐくむため、「文化」と「言語」と「対話」を通じて日本と世界をつなぐ場をつくり、人々の間に共感や信頼、好意を育んでく。とされています。
国際交流基金には、本部(東京)のほか、世界24カ国25拠点(うち2箇所はアジアセンター連絡事務所)と国内2つの附属機関(日本語国際センター、関西国際センター)と支部(京都)が存在します。
<参照:国際交流基金のホームページより>
国際交流基金日本語基礎テストとは?
国際交流基金日本語基礎テストとは、「JF日本語教育スタンダード」の考えに基づき、「日本語で何がどれだけできるか」を測ることを目的に開発されたものです。
主として就労のため日本で生活する日本語を母語としない人が来日後に遭遇する生活場面でのコミュニケーションに必要な言語能力を測定し、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」があるかどうかを判定するのに活用されています。
また、日本語能力試験については、以下の記事で解説をしています。
・特定技能ビザに必要な「日本語能力試験N4」とは?
国際交流基金日本語基礎テストについて
「特定技能」ビザを取得するためには、一定の日本語水準が求められます。
以下に、国際交流基金日本語基礎テストについて記載していきます。
試験言語
試験実施国の現地語で実施されます。
実施主体
独立行政法人国際交流基金が実施主体です。
実施方法
コンピューター・ベースト・テスティング(CBT)方式で行われます。
ただし、テストセンターでコンピュータを使用して出題、解答するもので、受験者は、ブースで、コンピュータの画面に表示される問題やヘッドフォンに流れる音声をもとに、画面上で解答することになります。
事業年度における実施回数及び実施時期
2019 年度は、実施回数は一年度あたり 5 回、実施時期は概ね 4 月、6 月、10 月、 1 月、3 月に実施される予定です。
実施場所
「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」に定める 9 か国(ベトナム、フィリピ ン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル) とし、実施環境が整った国から順次実施する。
ちなみに、2019年第一回「国際交流基金日本語基礎テスト」は、
日程:2019年4月13日(土曜日)、14日(日曜日)
実施地:フィリピン(マニラ)
で開催されます。
また、第2回テストは、2019年6月頃、第3回テストは、2019年10月頃の実施が予定されています。
詳細は追って国際交流基金のホームページに掲載される予定です。
受験資格者
原則として、日本語を母語としない者が受験資格者となります。
試験科目・試験時間・問題数
試験は、「文字と語彙」、「会話と表現」、「聴解」及び「読解」の 4 セクションで構成されています。
試験時間は 60 分、試験問題数は 60 問程度となっています。
合否の基準
総合得点 250 点満点に対し、国際交流基金が定める判定基準点を超えていること。が合否の基準です。
合否の通知方法
試験終了後、試験会場のコンピュータ画面上で試験結果を表示するとともに、後日、結果通知書(氏名、生年月日、性別、国籍、顔写真、受験日、受験地、結果通 知書の発行者、試験名等の基本情報を含む。)を E メールで受験者に送付されることになっています。
試験水準について
国際交流基金日本語基礎テストの試験水準は、
「『特定技能』に係る試験の方針について」に定められた、基本となる日本語水準を測る以下の尺度に則り、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度のA2レベル相当の日本語力を持っているかを判定されます。
国際交流基金日本語基礎テストA2レベルとは?
上述した、国際交流基金日本語基礎テストにおける、A2レベルとは、以下の基準であるとされています。
1、ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。
2、簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。
3、自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。
上記1〜3の水準がA2レベルの目安であるとされています。
国際交流基金日本語基礎テストのレベルは6段階
国際交流基金日本語基礎テストは、A1、A2、B1、B2、C1、C2の6レベルで分けられています。
就労のために必要な、「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」の目安として、このテストでは、A2レベルの一定程度の日本語力を持っているかどうかを判定しています。
以下、国際交流基金のホームページで発表されているA2レベルのイメージ図です。↓
<参照:国際交流基金のホームページより>
国際交流基金日本語基礎テストのテスト構成
上述したとおり、「国際交流基金日本語基礎テスト」は、「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の4セクションで構成されています。
国際交流基金日本語基礎テストは、
・文字と語彙
・会話と表現
・聴解
・読解
の4セクションで試験が構成されています。— ひーくん@外国人ビザの専門家 (@coolwork3) 2019年4月8日
以下、各セクションの詳細について記載しています。
文字と語彙
生活に必要な場面や話題で使用される日本語の文字が読めるか、基本的な語彙を持ち、使えるかを測ることを目的に出題されます。
出題される問題
・語の意味(漢字の意味と用法が問われます。)
・語の用法(語の用法が問われます。)
・漢字の読み(漢字で書かれた語の読み方をひらがなで問われます。)
・漢字の意味と用法(漢字で書かれた語の意味と用法が問われます。)
会話と表現
生活の具体的な場面の会話に必要な文法や表現を使えるかを測ることを目的に出題されます。
出題される問題
・文法(文脈に合った適切な文法が使えるかが問われます。)
・表現(会話の流れに合った適切な表現が使えるかが問われます。)
聴解
生活場面において、会話や指示などを聞いて、理解できるかを測ることを目的に出題されます。
・内容理解「社交的なやりとり」(情報交換や社交的なやりとりを聞いて、内容を理解できるかが問われます。)
・内容理解「店や公共機関でのやりとり」(店や公共機関でのやりとりを聞いて、内容を理解できるかが問われます。)
・内容理解「指示、アナウンス」(指示やアナウンス、音声メディア等を聞いて、内容を理解できるかが問われます。)
読解
生活場面において、手紙や掲示、説明などを読んで、理解できるかを測ることを目的に出題されます。
・内容理解(手紙やメッセージなどの短い簡単なテクストを読んで、内容を理解できるかが問われます。)
・情報検索(日常の看板や掲示、資料などから必要な情報を探し出せるかが問われます。)
まとめ
今回は、「国際交流基金日本語基礎テスト」について考えてきました。
「特定技能」ビザが新設され、今後も様々な制度の変化が予想されますので、しっかりと情報をチェックして、適正に運営していくことが求められます。
今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。
「特定技能」ビザに関する「まとめ記事」を以下に載せていますので、参考にしてください。↓
・特定技能の在留資格について解説した記事一覧(まとめ)