外国人留学生を新卒で採用したい!注意すべきことについて

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外国人が日本語学校や大学など、日本に学びに来る時は「留学」のビザを取得して日本にやってきます。

そして、大学等を卒業してから、新卒で日本の企業に就職する場合は、「留学」ビザのから「技術・人文知識・国際業務」ビザなどに変更申請を行い、内定をもらった会社で働くことになります。

そこで、今回は、新卒で外国人留学生を雇用する時に、気をつけておきたいことなどについて書いていきます。

皆様の参考になれば幸いです。

外国人留学生をアルバイトで雇用したいと考えている場合は、以下の記事も参考にしてください。↓

資格外活動って何?留学生をアルバイトで雇用する時の注意点

留学から技術・人文知識・国際業務などに在留資格を変更

「留学」から「技術・人文知識・国際業務」などに在留資格を変更

留学生が大学等を卒業して、新卒で会社に就職する場合は、「留学」ビザの在留資格では、日本に滞在することができなくなります。

そのため、就職して働くためには、「技術・人文知識・国際業務」ビザなどに在留資格を変更しなければなりません。

留学の在留資格を変更する時期は?

留学の在留資格を変更する時期は?

上述した通り、新卒で会社で働く場合は、「留学」ビザから「技術・人文知識・国際業務」ビザなどに在留資格を変更する必要があります。

在留資格を変更する時期については、例えば4月1日入社の場合は、入社までにビザを変更しておく必要があります。

変更の審査は、概ね1〜2ヶ月程度かかりますので、余裕を持って1月中には変更の申請を行っておきたいところです。

また、大阪入国管理局や東京入国管理局では、毎年1月〜3月は申請が多くなりますので、留学ビザの変更については、12月から受け付けてくれますので、早めに動いておくことをオススメします。

就職目的で変更申請をする留学生は多いの?

就職目的で変更申請をする留学生は多いの?

法務省の発表(平成28年)によると、外国人留学生は21,898人の変更申請が行われており、そのうち19,435人が許可を受けております。

以下に掲載するデータを見てもわかる通り、年々就職目的で変更申請をする外国人留学生の数が増加していることがわかります。

留学生からの就職目的の処分数等の推移

参照:法務省ホームページ 留学生の日本企業等への就職状況について

留学からの変更は技術・人文知識・国際業が多数を占める

留学からの変更は技術・人文知識・国際業が多数を占める

「留学」ビザから就職目的で在留資格を変更する場合は、圧倒的に「技術・人文知識・国際業務」ビザに変更する割合が多くなります。

変更許可後の在留資格別の構成比

変更許可後の在留資格別の構成比

参照:法務省ホームページ 留学生の日本企業等への就職状況について

留学生の就職先の業種は?

留学生の就職先の業種は?

外国人留学生が就職した就職先の業種については、法務省から以下の通り発表されています。

このグラフから製造業よりも非製造業に就職する留学生が多数を占めていることがわかります。

業種別の許可人数の推移

業種別の許可人数の推移

参照:法務省ホームページ 留学生の日本企業等への就職状況について

外国人留学生の職務内容は?

外国人留学生の職務内容は?

外国人留学生が新卒で就職して、従事する職務内容は「翻訳・通訳」が最も多く、その次に「販売・営業」の職務内容が多くなります。

職務内容別の許可人数

職務内容別の許可人数の構成比

参照:法務省ホームページ 留学生の日本企業等への就職状況について

留学から技術・人文知識・国際業務に変更する手続きは?

留学から技術・人文知識・国際業務に変更する手続きは?

上述した通り、外国人留学生が日本の企業に新卒で就職するためには、在留資格を変更しなければなりません。

そのため、地方入国管理局官署に在留資格変更許可申請を行う必要があります。

変更申請ができる人は?

「留学」ビザから「技術・人文知識・国際業務」ビザに変更を申請できる人は以下の通りです。↓

1 申請人本人(日本での滞在を希望している外国人本人)

2 代理人
申請人本人の法定代理人

3 取次者
(1)地方入国管理局長から申請取次の承認を受けている次の者で,申請人から依頼を受けたもの
ア  申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
イ  申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
ウ  外国人が行う技能,技術又は知識を修得する活動の監理を行う団体
エ  外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員

(2)地方入国管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で,申請人から依頼を受けたもの

(3)申請人本人が16歳未満の場合又は疾病(注)その他の事由により自ら出頭することができない場合には,その親族又は同居者若しくはこれに準ずる者で地方入国管理局長が適当と認めるもの

雇用予定の企業の職員が申請をする場合は、申請取次の承認を受けている必要がありますので、職員なら誰でも申請ができるという訳ではありませんので、注意が必要です。

また、法定代理人は16歳未満の場合に、代理で申請が可能になりますので、大学生などの場合は、法定代理には申請できないことにも注意が必要です。

新卒で留学生を雇用する会社が注意しておきたいこと

新卒で留学生を雇用する会社が注意しておきたいこと

新卒で外国人留学生を雇用する際に、会社側が注意しておきたいことは以下の通りです。

①留学生が届出の義務を履行しているかの確認

在留資格を持って日本に滞在している外国人は留学生に関わらず一定の事項などに変更があれば、行政に届出を行う必要があります。

そのため、届出を行っていない外国人留学生の変更申請を行う場合は、不利に働き「不許可」になる可能性がありますので、しっかりと確認をすることが必要です。

例えば、

在留カードの記載事項に係る届出,在留カードの有効期間更新申請,紛失等による在留カードの再交付申請,在留カードの返納,所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要です。

在留カードについては、以下の記事も参考にしてください。↓

外国人の在留カードについてわかりやすく解説します!

②勉強していた内容と職務の関連性

外国人留学生であれば、誰でも「技術・人文知識・国際業務」ビザに変更することができるという訳ではありません。

「技術・人文知識・国際業務」ビザに変更するためには、大学や専門学校などで学んでいた内容と従事する職務内容とが関連していることが求められます。

そのため、「単純労働」は認められないということに注意が必要です。

また、専門学校を卒業している場合は、「専門士」が必要になりますので、忘れずに確認をしておかなければなりません。

その他、「技術・人文知識・国際業務」ビザについての詳細は以下の記事も参考にしてください。↓

徹底解説!「技術・人文知識・国際業務」の7つのポイント

まとめ

外国人留学生を新卒で採用する時に注意したいことのまとめ

今回は外国人留学生を雇用する時に知っておきたいことについて考えてきました。

外国人留学生を新卒で雇用する場合は、「留学」ビザのままでは就労をさせることができません。

外国人を雇用する時にはしっかりと法律的な知識も持ち、責任を持って新卒採用を行っていくことが求められます。

また、採用した場合は、「外国人雇用状況の届出」も行う必要がありますので、忘れないようにしなければなりません。

さらに外国人の在留資格については、「出入国管理及び難民認定法」に規定されていますので、法律違反をしないように注意が必要です。

今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。

転職した外国人の雇用については、以下の記事も参考にしてください。↓

就労資格証明書とは?外国人の雇用時に知っておきたいこと

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