日本の食文化海外普及人材育成事業について解説!

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農林水産省は、日本料理を海外に普及させるために、調理に関する専門学校を卒業した外国人留学生を対象に、日本国内の日本料理店で働きながら、技術を学ぶことができる制度を実施していました。

これは以前の記事でも書いたとおり、日本料理海外普及人材育成事業の一貫として行われていましたが、2019年11月に日本料理海外普及人材育成事業の実施要領の一部が改正され、「日本の食文化海外普及人材育成事業」として名称が変更されました。

また、従前の日本料理海外普及人材育成事業では、日本料理に限定されていたものが、今回の改正で菓子製造などの分野にも拡充されています。

そこで、今回は、日本の食文化海外普及人材育成事業のポイントについて考えていきたいと思います。

日本料理海外普及人材育成事業については、以下の記事で解説をしていますので、こちらを見てから今回の記事をみるとより理解が深まると思います。↓
外国人留学生の日本料理海外普及人材育成事業(和食)を解説

製菓衛生師も対象に

製菓衛生師も対象に

改正前は、調理師養成施設において、調理師になるための必要な知識及び技能を修得したものが対象になっていました。

しかし、今回の改正によって、製菓衛生師免許を取得した者や、都道府県知事の指定を受けた製菓衛生師養成施設を卒業した者も「日本の食文化海外普及人材育成事業」の対象者として拡充されました。

対象となる外国人調理師とは?

対象となる外国人調理師とは?

上述したとおり、今回の改正では、製菓衛生師も対象範囲に拡充されていますが、対象となる外国人留学生は、以下の要件を満たしていることが必要になります。

1、取組実施機関において調理又は製菓の業務に従事するために、必要な知識及び技能を修得し、成績優秀かつ素行が善良であること。

2、調理等の知識及び技能を高めようとする意思、及び帰国後、日本の食文化を世界へ発信する意思を有すること。

3、特定調理等活動への従事を開始する時点で満18歳以上であること。

4、調理師免許又は製菓衛生師免許の申請資格を有している者については、本事業に従事をする時点において当該免許を取得していること。

5、製菓衛生師養成施設を卒業した者及び製菓分野における大学等を修了した者については、卒業した後三年以内に製菓衛生師の免許を取得する意思があり、申請書にその旨を宣誓していること。

また、製菓分野の過程を置く大学等を修了した外国人留学生が要件を満たすための、必要とされる履修科目については、

・衛生法規

・公衆衛生学

・食品学

・食品衛生学

・栄養学

・製菓理論

・製菓実習

などの科目を履修しておく必要があります。

日本の食文化海外普及人材育成事業の業務範囲は?

日本の食文化海外普及人材育成事業の業務範囲は?

上記で紹介した以前の記事でも書いた通り、日本料理海外普及人材育成事業では、

・日本料理店(細分類番号 7621)

・料亭(細 分類番号 7622)

・そば、うどん店(細分類番号 7631)

・すし店(細分類番号 7641)

・お好み焼、焼きそば、たこ焼き店(細分類番号 7692)

・他に分類されないその他の飲食店(細分類番号 7699)

等に該当する事業所で提供される料理又は飲食料品であって、 日本食及び食文化の海外普及に寄与すると認められるものが業務範囲として該当していました。

今回の改正によって、

・飲食店(中分類76)

・菓子小売業(製造小売)(細分類番号5861)

・パン小売業(製造小売)(細分類番号5863)

・旅館、ホテル(細分類番号7511)及びリゾートクラブ(細分類番号7592)

に該当する事業所で提供される料理又は飲食料品の調理等の業務であって、外交人調理師等の技能の向上及び日本の食文化の海外普及に寄与すると認められるものが対象となりました。

<参照:日本標準産業分類>

日本料理の文言が調理等に変更

日本料理の文言が調理等に変更

菓子製造分野も拡充されたことによって、「日本の食文化海外普及人材育成事業実施要領」の内容も、日本料理と規定されていた箇所が「食文化」であったり、「調理等」に修正されています。

まとめ

日本の食文化海外普及人材育成事業のまとめ

今回は、改正された日本の食文化海外普及人材育成事業について考えてきました。

クールジャパンを推進している日本にとっては、日本料理以外も日本の良い部分を発信していくための政策や制度が、今後も考えられることが想定されます。

今回の記事が皆様の参考になれば幸いです。

クールジャパンについては、以下の記事でも解説をしています↓
クールジャパン産業(アニメ・漫画等)の在留資格について

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